糖尿病について

昨今、多くの方が生活習慣病という言葉を耳にしたことがあるかと思います。

生活習慣病は、毎日の生活習慣が引き金となって引き起こされる病気の総称です。

この病気に分類される症状はどれも重く、ときに命に関わる病気の原因になることがあります。

その中で、代表的なものといえる病気の1つが糖尿病です。

糖尿病は、日本人で8~9人に1人は患っているとされている病気です。

男性では40歳以上、女性では50歳以上の中高齢から急に増える傾向があり、中高齢の年代の方は特に注意が必要な病気です。

血液の中に存在するブドウ糖が増えることによって発症し、ブドウ糖が増えた影響で血管の内側から活性酸素が発生し、血管を傷つけてしまいます。

その結果、失明したり、心臓病や腎臓病などの重い合併症を引き起こしたりしてしまいます。

また、血液中の血糖が著しく多くなると昏睡状態に陥る可能性もあるため、大変危険です。

発症しても、初期のうちははっきりとした自覚症状はありません。

しかし、進行してくると体や脳がエネルギー不足に陥って疲れやすくなったり、根気がなくなったりします。

余分なブドウ糖が脂肪細胞に取り込まれて太ったり、亜鉛が不足して味覚障害が引き起こされたりすることもあります。

喉がやたらと渇きやすくなる、トイレの回数が増える、理由もなく急激に痩せるなどの症状も報告されているため、これらの症状がみられた際は糖尿病を疑いましょう。

糖尿病には1型と2型の2種類がある

生活習慣病として認識されている糖尿病は2型のほうで、太った方に多くみられます。

緩やかに発病し、ゆっくりと進行していくので初期症状に気づきにくいことが多く、注意が必要です。

一方、1型の糖尿病は子供や若い世代の方でみられ、痩せている方に多くみられる傾向があります。

緩やかに進行する2型糖尿病とは対照的に、急激に発症し、急速に病状が悪化するのが特徴です。

ケトン体という酸性物質が血液中に増えて血液が酸性化するケトアシドーシスも起こしやすく、2型糖尿病とは異なる方向で危険性が高くなっています。

どちらの種類も大変危険性が高いため、糖尿病が疑われるときは適切な処置が必要です。

糖尿病の3つのポイント

ポイントを紹介する医者

・血糖値が高くなることによって引き起こされる

・適切な処置をせずに放置していると、重篤な合併症につながるおそれがある

・原因によって1型と2型の2種類に分けることができる

糖尿病の原因

糖尿病の原因は、1型と2型で違いがあります。

1型の原因

1型糖尿病は、膵臓にあるβ細胞という細胞が破壊されることによって引き起こされます。

β細胞は体内に存在するインスリンというホルモンの分泌に関わっており、これが破壊されることによってインスリンの分泌力が低下します。

すると、インスリンの働きによって行われていた血糖値の調整が正常に行われなくなり、糖尿病の症状に繋がります。

2型の原因

2型糖尿病は遺伝の影響や食べすぎ、飲みすぎ、運動不足などが原因になります。

これらの原因によって膵臓の働きが低下し、インスリンの分泌量が低下します。

また、肝臓や筋肉など、体の組織がインスリンの働きに反応しにくくなり、インスリンの効き目が悪くなってしまいます。

その結果、ブドウ糖を血液中から体内に上手く取り込めないようになり、血糖値の調整が正常に行われなくなります。

どちらの場合も、症状の原因にはインスリンが深く関わっています。

糖尿病になりやすい人

すでに軽く触れているように、糖尿病は太っている方にみられやすい傾向にあります。

具体的には、腹囲が男性なら85cm、女性なら90cmを超える、いわゆるメタボ体型の方です。

また、1年で10kg以上体重が増加した方も糖尿病にかかりやすいため、注意が必要です。

日頃から慢性的な食べすぎや飲みすぎがある方、運動不足になりがちな方も糖尿病を発症しやすいといえるので注意しましょう。

ほかにも、糖尿病になりやすい体質の方もいます。

糖尿病になりやすい体質には、インスリン抵抗性というインスリンが上手く働かない体質があります。

この体質があると、そうではない方に比べて糖尿病を発症するリスクが高いため、気をつける必要があります。

また、家族の中にこの体質がある方がいると、遺伝で受け継いでいる可能性があります。

家族に糖尿病の方がいる方も、糖尿病にかかりやすい傾向にあるので気をつけましょう。

糖尿病の治療法

糖尿病の治療のうち、代表的なものはインスリン療法です。

インスリンを注射して低下したインスリンを補い、体内で正常な働きができるようにします。

特に1型糖尿病の場合、β細胞そのものが破壊されてインスリンを上手く分泌できなくなっているため、外部からインスリンを補う必要があります。

また、場合によってはドナーから提供された膵臓を移植する膵臓移植が行われることがあります。

膵臓移植を行う場合、一般的には単独ではなく腎不全を伴う方に膵臓と腎臓を同時に移植するという形で行われます。

ほかにも、点滴を通してインスリンを作り出す膵島を移植する膵島移植が選ばれることもあります。

いずれの治療法も成功すれば再び体内でインスリンを作り出せるようになりますが、移植後は拒絶反応を抑えるために免疫抑制療法も行う必要があります。

2型糖尿病の場合、多くの場合は食事療法と運動療法で治療を行います。

具体的には、かかりつけの医師に決められた1日に必要なエネルギー量を意識しながらバランスのとれた食事を摂取し、1回20~40分の有酸素運動を週に3回行います。

2~3ヶ月ほど食事療法と運動療法を続け、症状の改善がみられなかった場合は薬物療法へ切り替えます。

薬物療法では、血糖降下薬を内服したり、インスリンやGLP-1受動体作動薬を注射したりして血糖値を正常な状態へコントロールします。

糖尿病の予防法

1型糖尿病は、一部ではウイルス感染によってβ細胞が破壊されるといわれています。

しかし、具体的な原因と予防法はいまだ確立しておらず、予防するのは難しい面があります。

一方、2型糖尿病は食生活の乱れや運動不足など、原因がはっきりしているため、生活習慣を改めることで予防することができます。

日頃からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、糖質を摂りすぎないよう注意しましょう。

規則正しく3食のも大切で、1食抜いて次にたくさん食べる、夜遅くに食事をするといった膵臓に負担をかける食べ方は避けましょう。

また、肉体的・精神的なストレスを減らして血糖値の上昇を防ぎ、リラックスする時間を取り入れるのも大切です。

毎日の生活習慣を見直し、日々の生活の中で厄介な糖尿病を予防しましょう。